最終更新日2021/11/26

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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いま改めて問う 「茹でガエル」の議論

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 日本人が忘れっぽいのか、一般に大衆とは忘れっぽいものなか。それはよくわからないが、いつのまにか消えてしまう大問題というものがあることは事実だ。中でも気になるのは日本の財政である。

 現職の財務事務次官が「このままでは国家財政は破綻する」と題した論文を発表したのは総選挙の前だ。大きな話題にはなったものの、それで何かが動くことはなかったように見える。麻生太郎財務大臣の許可は得ていたというから、大臣も同じような危惧をいくらかは抱いているのだろうと推測する。

 それにしても、政治家がなぜあれほどのバラマキ政策を平気で打ち出せるのかが分からない。無論、コロナ禍にあって、仕事を失い、困窮している弱者が大勢いることは承知している。その数は、今までの比ではないことも承知している。また飲食店や旅行業などが疲弊していることも承知している。

 それでも敢えて言わせてもらえば、だからといって現金をばらまくような余裕はあるまい。まだ使っていない予算が週十兆円あるという議論をした政党もあるが、耳を疑った。数十兆円の使いきっていない予算は、借金で賄われている。使い切っていなければ、返却すればいいだけの話だ。予算があるから使ってしまえ、というのはまさに単年度主義の悪弊にしか見えない。

 財布のひもを緩めなければならない状況であるとしても、どのように緩めればより政策効果を高めることにつながるのかは十分に吟味することが必要だ。政治の駆け引きだけで決めていい話ではない。支援の効率を高めるために、後れを取っているデジタル化を推進することも必要だろう。デジタル化にまつわる国民の不信感を取り除くことももちろん必要だ。乱暴な言い方をするなら、マイナンバカードを普及させるために、ポイントを付与するなどといったことは姑息ですらある。

 そういう意味では、コロナが落ち着いている今だからこそ、しっかり腰を落ち着けて、日本の行く末を議論すべきときだと思う。その時に、間違いない事実は、日本が人口減少社会であるということだ。たとえ今から人口が急に増えて、2.07という人口置換水準(人口が減らない水準)になったとしても、何十年も人口は減り続ける。そもそも子どもを産む女性の数が減り続けるからだ。

 つまり将来世代の負担は増え続けるのだ。それを考えれば、無責任なバラマキ政策ほど有害なものはあるまい。国会議員に定年制を設けるか、年齢によって議席を割り当てるか、何か対策を打たないとやがて気がついたときには「茹でガエル」になっているかもしれない。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。