最終更新日2020/1/27

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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加速する人口減少 将来へのツケは止めよう

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 2019年に生まれた子どもの数が86万4000人になりそうだという報道がなされて以来、人口減少に関する議論がいっそう熱を帯びてきたように見える。2025問題とか2040年問題という言葉が盛んに議論されるようになった。最近は2054年問題というのもあるそうだ。2025年は団塊の世代がすべて後期高齢者になる年、そして2040年は65歳以上の人口が4000万人とピークに達する年だ。そして2054年には75歳以上の人口がピークとなる。

 この間、生産年齢人口、いわゆる現役世代は一貫して減り続ける。言葉を換えて言えば、社会を支える人が減る一方で、支えられる人が増えていくということだ。年金、医療、介護の資金をどうするのか、国も地方自治体もますます切羽詰まってくる。それはそうだ。人口が減って経済活動が停滞すれば、当然のことながら税収が減る。税収が減れば、国や地方は社会保障の給付を減らすか、インフラ投資(道路や橋などの補修費用)を減らすか、あるいは両方とも減らすしかない。2019年3月末で国と地方自治体を合わせた公債残高は1100兆円余り、GDP比でほぼ200%に上る。先進国最悪という状況で借金(公債発行)を続けるのは後生にツケを回しているだけだ。

 政府は本腰を入れて、女性が子どもを産むことができる環境を整えるべきだという議論も活発だ。しかし残念なことに、実は子どもを増やすというのはそう簡単なことではない。2018年の合計特殊出生率は1.42、つまり一人の女性が一生に産む子どもの数が1.42人ということだ。人口を維持するのに必要な出生率は2.06とか2.07であるから、このままでは人口は減り続ける。しかも問題は、もし出生率が急上昇して2を超えたとしても、人口減少は数十年にわたって続くということだ。子どもを産む年齢の女性の数そのものが減り続けているからだ。つまり産むか産まないかという選択の問題ではなく、すでに日本の人口減少は構造的な問題になっていると研究者は解説する。ちなみにお隣の韓国では出生率が0.9を切るとされており、人口減少問題では日本を追い越すことになるという。

 人口減少を止めるのが難しければ、結局は新しい事態にできるだけ軟着陸していくしかない。そのためには、頭の片隅に残っている「右肩上がりの社会」という幻想を捨て去ることが必要だ。右肩上がりの社会では、極端に言えば放っておいても債務は小さくなった。しかし右肩下がりの社会では、放っておけば債務はどんどん大きくなる。その意味では、公債という将来へのつけ回しは一刻も早く増やさないようにするしかあるまい。その結果、景気が悪くなることもあろうが、将来が崩壊するよりはましなはずだ。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。