最終更新日2021/12/27

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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日本が歩かされる米中の「地雷原」

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 軍事力、経済力の強化が進む中国。それと共に急激に覇権主義に傾斜し始めている。何かと言えば攻撃的に自己防衛に走る姿は、第二次世界大戦前の日本に似ているのかもしれない。その反応に直面して欧米は、やや戸惑っているようにも思える。

 新型コロナウイルスの発生源をめぐる問題では、あくまでも武漢の野生動物起源説を否定し、挙句のはてに米軍が持ち込んだと言いだす始末。オーストラリアが発生源を調査すべきだと発言すれば、その報復にオーストラリアからの輸入を停止し、両国関係を極度に悪化させてしまった。そのおかげでオーストラリアはアメリカの協力を得て原潜を建造するというおまけまでついた。インド洋進出を目指す中国にとっては、オーストラリアが目の上のたんこぶになってしまったのである。

 これだけではない。北京オリンピック・パラリンピックをめぐって、アメリカが外交的ボイコットを表明すると、イギリス、オーストラリア、カナダ、リトアニアも追随すると踏み込んだ。新疆ウィグル自治区などでの人権侵害に抗議するためだ。中国はそれに対しても強い姿勢を崩さなかったと同時に、東京オリンピック・パラリンピックの開催を支持した中国を、日本が「裏切ることはないだろうな」と暗に圧力をかけてきた。一つの「地雷原」である。今後こういった姿勢は強硬になることはあっても、軟化することはあるまい。

 もちろん、中国への牽制を強めるアメリカからの圧力もある。すでに民主主義サミットが開催され、アメリカは招待状に各国がどのように反応したかを十分に観察しただろう。例えば招待に応じなかったパキスタンなどに対して、中国やアメリカがそれぞれどう対応するのかは興味のあるところだ。

 大戦後の民主主義対共産主義というイデオロギーによる色分けは、ソ連の崩壊という形で劇的に終わった。もはやイデオロギー対立の時代は終焉したと言われたが、ここで再び民主主義対専制主義という形で世界が分断されようとしている。中国やロシアなどは国家の政治的安定を第一とし、そのためには国民の主権侵害を置き去りにする。

 こうした対立と分断の中で、アメリカと関係の深い国、中国と関係の深い国はそれぞれの選択を迫られることになる。例えばドイツはロシアからの新しいパイプラインに関してアメリカから強い圧力をかけられた。日本も防衛費の増額を要請されている。世界で最もきな臭いのは東アジアとウクライナだ。そうした世界情勢の変化にどう対応していくのか。中国とアメリカにはさまれている日本は両国が仕掛ける地雷原をどう歩くのか。対応するのはそう簡単ではない。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。