最終更新日08/12/10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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        リーダーの言葉           

 

 

                 藤田 正美(ジャーナリスト)

 

 


 

 

 海の向こうでは、新しいリーダーが出現した。11月4日の選挙で勝利したバラク・オバ
マ米次期大統領である。米国史上初めて黒人の大統領が誕生した意味は小さくない。
オバマ大統領が生まれた1961年にはアメリカではまだ黒人と白人の結婚を禁じた州も
あったし、学校など公共施設で黒人と白人を区別していた州も少なくなかった。
そのアメリカで、黒人の大統領が遺ばれたのである。
  そしてオバマ氏は演説がうまい。人の心をつかみ、揺旦ぶる。それはもちろん言葉
だけの問題ではない。ブッシュ政権が「分断」したアメリカをまた一つの国として結束
させなければならないという強い思いが言葉になって表れているのだと思う。
  インターネットを使って少額の寄付を集めるという斬新な手法で実に7億ドルを超え
る資金を集めた。この金額は過去の大統領選挙の実績をはるかに上回る。そしてネッ
トを通じて若者を運動員として動員し、共和党の地盤まで切り崩した。選挙資金を寄付
し、選挙運動にボランティアで参加した若者たちは、オバマ氏の強い思いとそれを伝え
る言葉に共感したのである。
 アメリカと日本は政治の形がかなり違うところがあるので、直接的に比較することはで
きないかもしれないが、麻生太郎首相の言葉は果たして国民の胸を打っているだろうか。
だいたい「百年に一度の金融ツナミ」と言われるこの危機のさなかに」1人当たり12000
円の給付金の配り方で指導力を発揮できずに姿勢がぶれるというのは、いかにも情けな
い。「政局より政策」という言葉の端からその政策でつまずいているような形である。
  それに首相が一度決断をしたら、閣僚はいかに異論があってもそれを支えるのが筋だ
と思うが、、どうも麻生内閣は、決まったあとも閣僚が好き勝手に発言する習性が身に付
いてしまったようだ。もちろん、閣僚に問題があるのだが、裏を返せば、リーダーシップを
発揮すべきである。
  オバマ次期大統領の経済顧問の1人に、アメリカ随一の資産家であるウォーレン・バ
フエツト氏がいる。先日、あるテレビ番組でパフェット氏がこう語っているのを聞いた。彼
は自分の資産の1%を子供たちに遺産として渡すのだという。残りの99%は慈善事業
に寄付する。「親が金持ちだからといって子供が自動的に金持ちになるのはアメリカ的
ではない」 のだそうだ。そして金持ちになった人は、能力があっても機会に恵まれない
人を援助する義務があるという。このあたりがアメリカの強さであり、アメリカの結束を主
張するオバマ氏が勝った理由でもlある。
  麻生首相は、「俺は昔から金持ちやってるから」と言ったことがあったと思うが、そこに
欠けているのは、金持ちとしての節度と哲学だ。そして蘭度と哲学が欠けていることが、
国民の胸を打つ言葉の少なさになって表れている。こlの首相の下で、百年に一度の危
機にあたらねばならないとすれば、それは国民の不幸である。
 (元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本の再創造することを広く呼び掛けている。