最終更新日2017/09/05

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 朝鮮半島という火薬庫日本の安全をどう考えるか

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 米国と北朝鮮の対立が尖鋭化して、日本を含め世界は固唾を飲んで東アジアを見守っている。朝鮮半島で戦争が起こることは、どの周辺諸国にとっても避けたいことに違いない。戦争の結果、朝鮮半島のパワーバランスが変わると、核保有国であるロシア、中国、そして米国の安全保障環境が大きく変わるからだ。戦争にならなくても、北朝鮮の核保有を認めてしまえば、それもバランスを大きく変えることにつながる。

 この問題の難しさはそこにある。北朝鮮が核兵器を保有するのは、基本的に他国を攻撃するためではない。米国に対する立場を強めるためだ。つまり自衛のための核兵器ということになる。冷戦時代、米ソは核兵器の数を競ったが、それは相手から攻撃された場合でも、核兵器が一発でも多く残るようにするためだ。核兵器を保有しているとみられるイスラエルは、保有しているかどうか否定も肯定もしない。周辺諸国が、「持っているかもしれない」と思ってくれることで、自国の安全を図ることができる。


 自衛のためであれ何であれ、北朝鮮の核保有は?、周辺諸国に大きな影響を及ぽす。世界がいちばん懸念するのは、?日本だ?。世界唯一の被爆国である日本が核武装することはあり得ないと考えている人が多いとわれわれは思っている。?しかし?、外から見れば、それは「?非合理的な選択」?にも見える。核兵器を持っている国に対抗するには核武装して、核兵器で攻撃されないようにするという論理が成り立つからである。


 実際、北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過するというだけで、そのミサイルを撃墜できるかどうか、いろいろ議論されている。まして攻撃される可能性があるとなれば、迎撃ミサイルだけですむはずがない。最近、盛んに議論される「敵地攻撃能力」というのはそのことだ。しかしそれすらも十分ではない。通常弾頭では撃破できる範囲に限りがあるため、敵の攻撃を抑制できるほどの報復能力とはならない。北朝鮮が核攻撃の能力を備えつつあるとき、日本にとって合理的な防衛策は、北朝鮮と同じく核武装することだという主張も理解できる。


 しかし、たとえ米国が了承して日本が核武装すれば、中国やロシアはもちろん、韓国や台湾も黙っていないだろう。どれほど日本が、自衛のため??と主張しても、非難されることになる。世界からも批判されるだろう。核廃棄という流れに逆行するからだ。その意味では、現実的な選択肢としての核武装はありえないだろうが、北朝鮮の核にどう対抗するかという問題は残ったままだ。

 日本が平和でいられるのは、これまで東アジアのパワーバランスが大きく崩れることがなかったからだ。しかし今、北朝鮮、台湾、南シナ海、東シナ海ときな臭いところが増えている。そういった現実を見つめて、どのように日本の安全保障を考えるのか、問われているのは政府だけではない。国民一人一人も問われているのである。
(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。