最終更新日2018/04/24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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公文書に祟られる安倍政権 いまなすべきこととは

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 財務省の決裁文書改ざん問題に続いて、防衛省の日報問題、それに加計学園に関する愛媛県の「首相案件」文書と、安倍内閣はすっかり公文書に祟られている。朝鮮半島を巡って南北首脳会談、米朝会談と相次いで首脳会談が行われるし、安倍首相はその前にトランプ米大統領と会談しなければならない。北朝鮮問題は、日本が第二次大戦に敗北して以来、初めて直面する安全保障上の「危機」なのである。

 もっとも、公文書問題も日本の民主主義にとって「危機」であることは間違いない。公文書管理法第一条はこう高らかに謳っている。 「この法律は、国等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものである」(一部省略)

 しかし実際には国等の公文書管理は抜け穴がいっぱいあったということなのだろう。情報公開を要求すれば個人情報保護を盾に、「海苔弁状態」の文書が出てくるし、場合によっては「不存在」などとおよそ聞き慣れない日本語で拒否される。

 かつて役所に取材に行くと、廊下にはいっぱい段ボールの箱が積み上げてあった。文書の山である。あれだけの文書を毎年積み上げていくのは大変な作業だったはずだ。しかし今はハードディスクであれ、クラウドであれ、文書を保管するハードルは低い。文書の整理も整理の仕方さえ決めておけば、紙の文書を整理するよりはよほど楽なはずだ。1年保存とか5年保存とか言わずに、あらゆる記録をほぼ永久に保存しておくことだって不可能ではないだろう。

 決裁文書にしても、もし書き換えればその記録を自動的に残すことができるようにもできる。必要な文書は各省庁間で共有することも簡単だ。首相秘書官が官邸で行った活動記録や面談記録だって残せるだろう。「会った記憶がない」という回答を聞くより、公務の活動記録を取り寄せればすむ。首相官邸のあらゆる部屋を録音可能にして、それを録音しておくことだってできるだろう。

 思い出すのは2011年の菅内閣だ。東日本大震災に直面した菅内閣は、原発事故対応を官邸の危機管理室ではなく別のフロアの会議室に移した。そこには自動的に録音する機能はなかった。これで原発事故対応という世界的に貴重な記録を残すことができなかったのである(後から担当者のメモや記憶で何とか形をつくったが、それでは抜け落ちてしまうことも少なくあるまい)。これは記録に対する政治家の鈍感さというか冒涜と言ってもいいほどの失策だった。

 その意味で、安倍内閣はこの問題を一部の省庁だけの問題に押し込めないことが重要だと思う。「公文書の管理に関するガイドライン」を見直すという議論も出ているが、見直しというよりも抜本的に政府が透明性を担保するような改革を打ち出すべきだと思う。それこそ国家百年にふさわしい大改革にもなりうるだろう。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。