最終更新日2019/9/25

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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安倍政権のラストラン 最大の課題とは何か

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 安倍第4次再改造内閣が発足した。改造への評価は政権が期待したほどではないとしても概ね好評だ。若手のホープとして小泉進次郎衆院議員が初入閣したことも影響しているだろう。

 しかし課題は山積している。外交では、ロシアとの平和条約と北方領土の返還は先が見えないし、日韓関係は最悪だ。盤石に見える日米関係も2020年にトランプ大統領が再選されなければどう転ぶか分からない。再選されればされたで、とても方針が一貫しているように見えない相手ではやりにくいことこの上ない。日中関係は改善しているとはいえ、東アジアでの覇権を目指す中国の姿勢は明白で、それにどう対抗するかという難しい問題がある。

 内政では社会保障改革と財政再建という大問題が残ったままだ。とりわけ財政再建については、基礎的財政収支を黒字かするという目標を2020年から2025年に先送りしたが、それでさえ達成できるかどうかは危うい。第一、基礎的財政収支が黒字になっても、1000兆円を超える公的債務を将来の日本に背負わせているという事実に変わりはない。社会保障も全世代型にシフトという方向性は評価できても、増加する医療費をどうするのか、年金財政は大丈夫かなど国民が不安に思う課題は多い。

 安倍首相自身は、悲願の憲法改正に焦点を当てているように見える。憲法改正そのものが喫緊の課題とは思わないが、日本を取り巻く安全保障環境が、これからさらに厳しくなることは間違いない。太平洋やインド洋への進出を試みる軍事大国の中国、自国の存立をかけて核兵器開発を進める北朝鮮、北との融和を望むあまり、自国や東アジアの安全保障に目をつむっているように見える韓国、そして米中「新冷戦」。これだけ考えても、日本がこれまで以上に安全保障を真剣に考えねばならない時期にきている。ここで最大の課題は、国民にとって安全保障はどこか遠い問題であることだ。戦後74年の「平和ぼけ」が安全保障問題を真剣に議論する土壌を奪ってしまった。

 これらの課題のどれを優先するのか。安倍総裁の任期はあと2年しかない。任期延長がないとすれば、リーダーシップをもって政治を動かすことができるのは実際には1年だろう。もちろん1年の間に解決できるはずもないが、せめて政治の方向性を国民に示すことが必要だ。やはり世界に先駆けて人口減少社会に向かう日本が、どのような課題を背負い、その衝撃を緩和するにはどうしたらいいかが最も重要だと思う。人口減少の衝撃はたぶん一般に考えられているよりははるかに大きく、差し迫っている。その現実は明らかにすることこそ、安倍内閣ラストランの最大の課題ではないだろうか。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。