最終更新日2018/05/25

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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米利上げ、円安、原油高 狭まる日本の選択

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 6月12日に迫った米朝会談。歴史的な会談になるのか、それとも結局は何の成果も得られずに決裂するのか。もし決裂した場合は、朝鮮半島がまたきな臭くなるのか。世界は固唾を飲んで見守っている。

 世界が見守っているのはそれだけではない。米FRB(連邦準備理事会)が今年金利を何回引き上げるのか、それも重大な関心事だ。なぜか。長期金利が上昇し、指標となる10年国債の利回りが3%を超えた。これが、そろそろ株式といったリスク資産から債券などへの乗り換えが始まる水準と見られているからだ。当然株価は下がることになる。心配なのは株式だけではない。全世界に流れていたドル資金の引き揚げが始まるかもしれない。

 新興国の金利高につられて、流出していたドル。それがドル金利の上昇で還流する。ドルの引き揚げが始まると、新興国通貨が安くなり、それだけ新興国がドル債務を返済するときの負担が重くなる。それがさらにその国の通貨を押し下げる。通貨危機である。以前は東南アジアがそれに苦しんだ。いま懸念されているのはアルゼンチンやトルコだ。

 ドル高という流れになれば円も安くなる。円安になれば輸出企業を中心に収益が回復するから日本株が高くなる。ということになればそうドル金利の上昇を懸念することもないのかもしれない。しかしここにもう一つの撹乱要因がある。原油高である。

 OPEC(石油輸出国機構)の減産と世界景気の回復によって低迷していた原油価格が上がり始め、一部ではバレル70ドルを超えた。それでも史上最高値よりはまだかなり安いが、アメリカがイランに経済制裁を課したり、イスラエルとイランの対立が激化して中東情勢がさらに不安定になれば、原油価格に上昇圧力が働くことになるだろう。

 以前、原油が高かった2013年のころは幸いなことに円が極端に高かった。第2次安倍政権が成立した時だ。そのため、原油高の影響を直接に受けることはなかった。為替というクッションがあったからだ。しかし今度はそうは行かないかもしれない。

 その結果、貿易収支が赤字になったりすれば、今度は日本の1000兆円を超える公的債務がまた脚光を浴びる。すでに安倍内閣は、2020年度の基礎的財政収支の黒字化を断念して2027年度に延ばした。それも経済成長がアベノミクスによってうまく行った場合を想定しての話である。

 2019年10月には消費税引き上げが予定されている。しかしオリンピック特需というカンフル剤が切れそうなときに、安倍首相(自民党総裁選で三選するのが先だが)は果たして増税を延期するという「誘惑」に勝てるだろうか。ここで3度目の安易な道に走れば、日本経済は財政破綻という奈落の底に落ちるかもしれないのである。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。