最終更新日2018/09/25

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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安倍総裁が直面する 三期目の大問題

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 安倍第二次政権が発足したのが2012年末。それ以来、最も頻繁に会っている外国の首脳はロシアのプーチン大統領だろう。最近ではロシアのウラジオストックで行われた「東方経済フォーラム」でプーチン大統領と個別に会談した。そして中国の習近平主席も居並ぶフォーラムの席上で、プーチン大統領はサプライズ発言をした。「何の前提条件なしで年内に平和条約を結ぼう」。北方領土問題の解決が平和条約の前提とする日本側にとっては寝耳に水の話である。

 安倍政権は、内政はともかく、外交では比較的に成果を挙げてきたと思う。欧米諸国と角を突き合わせていたプーチンとの関係は、西側諸国では安倍首相が断トツに安定した関係を保っていた。安倍首相とプーチン大統領が両国の首脳でいる間なら、北方領土や平和条約という日ロ間の懸案を解決することができるかもしれないと期待が膨らんだ。

 トランプ政権との関係も良好だった。就任前からトランプタワーの自宅を訪れ、トランプ大統領との親交関係をいちはやく築き上げた。「シンゾウ」「ドナルド」と呼び合う二人の仲が日米関係を安定させるはずだった。しかしどうもアメリカの雲行きが怪しい。

 ニューヨークタイムズはトランプ政権高官の匿名コラムを掲載した。異例のことである。タイトルは『私はトランプ政権内の抵抗勢力の一人だ』。そのコラムにはトランプ大統領がいかに気紛れで、感情的に政策を決定するか、それがいかにアメリカを危うくしているかが書かれている。憲法の条項を使って何とか大統領を辞めさせることができないかを政権内部の人々で検討したともいう。

 足下が危ういだけではない。11月6日に行われる中間選挙も懸念されている。435議席すべてが改選される連邦議会下院では、与党共和党が多数派の座を失いそうだ。上院は通常33議席に加えて2議席の補欠が選挙対象だが、上院でも民主党が相当肉薄するだろう。下院で民主党が多数派になれば大統領弾劾もありうるという話になるが、そこまで行かなくてもトランプ大統領の権力基盤はかなり揺らぐはずだ。

 それを何とか押しとどめるために、トランプ大統領は、通商政策でアメリカ・ファーストをごり押ししてくるだろう。対中に続いて、対日でも関税の引き上げを打ち出してくる。それが自分を大統領にしてくれた岩盤支持層へのアピールだからだ。

 首脳同士の関係がいいことは重要だが、だからといって自分たちに都合のいいように事が運ぶわけではない。どの国にも国益やら首脳自身の都合もある。トランプ大統領が日本の自動車に関税をかけると言ってきたとき、安倍首相はどうやってそれを思いとどまらせるのだろうか。日本の切り札になるのは、対欧、対中、対ロ関係の改善しかないのだろうが、果たしてそれだけの余裕があるかどうか。三選された安倍首相はさっそく大問題に直面することになるかもしれない。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。