最終更新日2018/12/25

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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日本の新しいビジョン それを提示する政治家は誰?

 

藤田 正美 (ジャーナリスト)

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 2019年はどんな年になるのだろうか。何せ不透明な要素が多すぎる。

 まず世界経済に影を投げかけている米中の経済対立。トランプ大統領のこととて、どんな手を打ってくるのかよく分からない。中国がある程度折れてくるサインは見えているものの、そもそも2国間で貿易を均衡させるのは無理な話なのだから、またやがてトランプの怒りは爆発するだろう。ヨーロッパは相変わらずイギリスのEU脱退交渉が難航しているし、メイ首相のリーダーシップに疑問もついてしまった。脱退までに協定ができるかどうかも分からない。

 欧州大陸に目を移せば、欧州中央銀行は量的緩和を終了することにした。しかし景気回復の足取りがしっかりしているわけではない。イタリアの財政問題という時限爆弾は相変わらず時を刻んでいるし、EUの主要国ドイツのメルケル首相には難民問題でノーが突きつけられた。やはりEUの中心であるフランスのマクロン首相は理想を掲げた改革で国民の怒りをかって支持率がひどく落ち込んだ。世界の構造も新しいバランスに向けてきしんでいるようだ。

 日本は戦後最長の景気拡大を記録しそうだが、個人消費の動きは冴えないなど経済の地力がついたとはとうてい言えまい。今年秋に控えた消費税増税には、政府は万全の対策をしたという。ただ半年の税収の増加分とほぼ同じ対策を打ち、なおかつ複数税率という天下の愚策も導入したのではなんのための増税かという議論にもなろう。

 本来、消費税の増税は社会の構造変化をにらんで、同時に財政の再建も視野に入れたものになるはずだった。国がGDPの2倍もの借金を抱えていることを考えれば、今回の増税で十分と考える人は誰一人いない。やがて15%になり、20%になるだろう。日本の場合、人口構成の変化と人口減少の影響がこれから本格化するからである。医療や介護、年金といった社会保障の財源がどうやっても足りないはずだ。それに老朽インフラの問題もある。来年度予算では2兆円の上積みということのようだが、これもやがてこれまで築いてきたインフラをすべて維持することはできないという現実に直面する。

 それだけではない。次の世代に日本を託すということを考えれば、子育てや教育(それも幼児教育から高等教育まで)をどのように充実させるかというビジョンを描かなければならない。財政に余裕があれば「全世代型社会保障」とも言えるだろうが、実際にはそんな余裕はない。

 こんな中で、日本は内外をにらみながら、自分たちのあるべきビジョンを探らなければならない。そのビジョンは20世紀型とはまったく異なるもののはずである。前世紀の遺物のような政治家がそんな日本を主導できるとはとうてい思えないのだが、ポスト安倍の誰かがそれをしなければならない。

(元ニューズウィーク日本版編集長)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなくアメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起することを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつづけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長として行ってきたが、厳しい環境もあり77才を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本を再創造することを広く呼び掛けている。